日生不動産販売マンションライブラリ

記事紹介2021年01月11日

30歳会社員。貯蓄が900万円を超えたらマンション購入を検討中

◆現時点で結婚の予定はなし。どんな物件を購入したらいい?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。
今回の相談者は、貯蓄が900万円を超える2年後にマンション購入を考えている30歳の会社員。
無理のない範囲での購入プランを検討しているキタグニさんのお悩みに、ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。

◇相談者
キタグニさん(仮名)
男性/会社員/30歳
関東/持ち家(親の家に同居)

◇家族構成
母(会社員・50代)、弟(会社員・20代)

◇相談内容
貯蓄が900万円を超えそうな2年後に都内にマンションを買おうと思っています。ローンの返済期間は60歳をむかえるまでの25年を考えております。
無理のない物件額やマンション購入の考え方について教えてほしいです。都内のマンションで、1Rもしくは広くても1LDKほどで金額は2000万円以下で考えています。

◇家計収支データ補足
(1)各費目の支出内訳
・通信費→スマホの月額支払い1万円、 Wi-Fiルーターの月額支払い5000円
・趣味・教養・娯楽費→趣味であるスポーツ観戦やコンサート、舞台観賞にかかる合計金額
・雑費→実家へ3万円(一人暮らし後は不要)。 以前、精神疾患にかかったためアフターケアの治療費とカウンセリング代1万5000円(現在は完治しているが、再発防止のため必須)
(2)ボーナスの支出内訳
旅行費用15万円、貯金45万円
(3)一人暮らしになった場合の支出予定
家賃:7万円
食費:3万円
水道光熱費:1万円
通信費:1万5000円
趣味:娯楽費:4万円(一人暮らし後は趣味にかける金額は抑える予定)
治療費:1万5000円
雑費:1万円

合計支出額:19万円
一人暮らしをすると会社から家賃補助で2万円が追加されるため、収入は22万円になる。貯金額は月3万円と考えている。
(4)結婚の予定など、今後のライフプランについて
相談者コメント「結婚については今のところはない。正直、このまま独身でいいとも考えている。ただ、結婚をしたくないわけではないため、ご縁があった場合は考えるが直近はない」

◇FP藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1:団体信用生命保険に加入できない可能性が高い
アドバイス2:どうしてもマンションを買うのなら投資用と考えて購入を
アドバイス3:マンションにも相場がある。お金を貯めながらチャンスを待とう

◆アドバイス1:団体信用生命保険に加入できない可能性が高い
ご相談にお応えするアドバイスではないのがとても心苦しいのですが、率直にいってマンション購入は難しいと思われます。
その理由は、現在は完治しているとのことですが、精神疾患のカウンセリングと投薬が続いていると、住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合、保険金によって残りの住宅ローンが弁済される団体信用生命保険(通称:団信)に加入することができない可能性が高いです。
団信に加入できないと、金融機関で住宅ローンを借りることはできません。住宅金融支援機構が提供する「フラット35」ならば団信に加入しなくても借り入れはできますが、万一のとき住宅ローンが残ってしまいますし、対象となる住宅は30平方メートル以上なので、ワンルームだと適合しないかもしれません。
どうしてマンションを購入しようとお考えなのかがわからないのですが、現実的な視点でアドバイスをするとご実家で同居を続けることをすすめます。というのも、現在の収入だと生活はできますが十分とはいえません。
シングルで実家暮らしだから、これだけ貯められたのです。マンションを購入して一人暮らしをすると貯蓄ペースは一気に落ちますし、手元のお金も無くなりアクシデントが起こった際の余裕がありません。
いざというとき、まとまったお金が手元にあるのは心強いことです。可能ならば当面は実家で生活して貯蓄を増やす方が、将来の不安解消には効果が大きいように思います。

◆アドバイス2:どうしてもマンションを買うのなら投資用と考えて購入を
住宅ローンを借りることができ、数年後にマンションを購入する場合についても考えてみましょう。
その場合は、投資用のマンションを購入する気持ちで物件を選んでください。そうすれば結婚などライフプランの変更があっても、あわてずに済むからです。
投資用として検討する場合、まず考えたいのが利回りです。表面利回りなら7%以上、管理費や固定資産税などを除いた実質利回りでも5%は確保できる物件であることを意識しましょう。
もうひとつは、長期間にわたって賃借人を確保できる物件であるかということです。東京でも空き家率が増えてきています。将来的には賃貸物件も入居する人がなく、空室になる物件が増えてくるでしょう。
エリアや沿線だけでなく、駅からの距離、周辺環境など、自分が気に入るだけでなく、客観的に見て競争力がある物件かどうかを見極めてください。
と考えると、いま検討している「1Rもしくは広くても1LDKほどで金額は2000万円以下」という条件は、金額面から見て割高である可能性が高いように思います。

◆アドバイス3:マンションにも相場がある。お金を貯めながらチャンスを待とう
検討している物件価格は割高である可能性が高いというお話をしましたが、マンションには相場があり、特にワンルーム物件は不動産の中でも流動性が高いため株のように値動きが大きい傾向があります。
現在の不動産相場は頭を打った感があるものの、まだまだ割高。首都圏の不動産相場は上昇と下降を繰り返していますから、投資用物件として考えるならば購入時期は相場を意識して検討すべきです。
そこで、キタグニさんに提案です。現状では団信に加入できない可能性が高い、物件価格が割高ですから、しばらくは実家での生活を続けてしっかり貯蓄を増やし、相場が下がるのを待って現金で購入してはどうでしょう。
現金で購入できれば、毎月の支払いは管理費や固定資産税などで3万円程度に収まるはず。これなら一人暮らしをしても、貯蓄を増やしていく余裕が生まれます。
住宅をいかに低コストで確保できるかは、マネープランに大きな影響を与えます。ここで失敗すると住宅ローンを返済していくだけの人生になってしまいますから、現金で買うことの安心感はとても大きいです。ぜひ考えてみてください。

(マイナビニュースより引用)