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記事紹介2026年04月10日

関心高まる住宅性能向上リフォーム。税制優遇制度とリフォーム工事関連制度の認知状況は?

■リフォーム検討者で重視度が高まる、住まいの性能向上リフォーム

調査対象(有効回答)を確認しておこう。「実施者」は、過去3年以内に自己所有の住まいをリフォームした1175人(全国の20歳以上の世帯主・自己所有)、「検討者」は、今後3年以内に住まい(自身の住まいに限らず)のリフォームを実施予定の1167人(全国の20歳以上)だ。

まず、実施者のリフォーム費用の平均額を見ると、住まいが一戸建ての場合で、検討時349.0万円、実際の費用470.1万円、マンションの場合で、検討時257.7万円、実際の費用316.9万円で、それぞれかなり開きがあることがわかった。分布を見ると、いずれの場合も最多は「100~300万円未満」でおおむね4割前後を占めた。

次に、前回、前々回と今回の推移で注目したい点として、検討者が「リフォーム検討にあたり重視すること」の項目を挙げよう。「省エネ性の向上が見込めること」、「耐久性の向上が見込めること」「耐震性の向上が見込めること」3項目で、調査回ごとに重視する比率が上がっている。他方、「設備の使い勝手が良くなること」は調査回ごとに下がっている。住まいの基本的な性能に関する関心の高さがうかがえる結果だ。


■12の「税制優遇制度」

次に、リフォームに関する「税制優遇制度」について見ていこう。

選択肢は、「耐震リフォーム減税(所得税)」「耐震リフォーム減税(固定資産税)」「バリアフリーリフォーム減税(所得税)」「バリアフリーリフォーム減税(固定資産税)」「省エネリフォーム減税(所得税)」「省エネリフォーム減税(固定資産税)」「同居対応リフォーム減税(所得税)」「長期優良化リフォーム減税(所得税)」「長期優良化リフォーム減税(固定資産税)」「子育て対応リフォーム減税(所得税)」「住宅ローン減税(増改築)」「贈与税の非課税措置」の12の税制優遇。

耐震から子育て対応リフォームまで対象工事が限定される6つの改修工事に対して、それぞれの適用要件を満たせば、所得税額から最大60~80万円控除される減税制度と固定資産税の1/3~2/3に相当する額を減額する減税制度(同居対応リフォーム、子育て対応リフォームに減税はない)がある。ほかに、新築住宅の取得で多く利用される「住宅ローン減税」と「贈与税の非課税措置」については、要件を満たせばリフォームでも適用される。

まず実施者に、それぞれの税制優遇制度の認知状況を聞くと、前回、前々回と認知度に大きな変化はなかった。最も認知度が高いのは、「省エネリフォーム減税(所得税)」の34.4%で、最も低いのは「同居対応リフォーム減税(所得税)」の21.1%だった。

認知している人にそれぞれの活用状況を聞いたところ、おおむね過半数が利用しているが、最も活用率が高かったのは「子育て対応リフォーム減税(所得税)」(63.4%)だった。「子育て対応リフォーム減税(所得税)」は、「長期優良化リフォーム減税(固定資産税)」「耐震リフォーム減税(固定資産税)」「長期優良化リフォーム減税(所得税)」に次いで、「業者に勧められて活用した」という回答が多い。

ただし、税制優遇制度の活用は、実施するリフォーム内容がそれぞれの適用条件に合致するかどうかによるところが大きいので、認知している人の多くは上手に優遇制度を活用していることがうかがえる。


■リフォーム工事関連制度
実現したいのは省エネ性能を高めるリフォーム、特に20-40代で高い

さらに、「リフォーム工事関連制度」の認知状況について見ていこう。

選択肢は、「長期優良住宅の増改築に係る認定制度」「建物状況調査(インスペクション)」「住宅リフォーム事業者団体登録制度」「住まいるダイヤル」「住宅履歴情報(いえかるて)」「リフォーム瑕疵保険」「住宅金融支援機構の融資制度」「安心R住宅」「住宅性能表示制度」の9制度。
この中で筆者が特に、リフォームするなら知っておいてほしいと思うのは、「住宅リフォーム事業者団体登録制度」と「住まいるダイヤル」だ。

「住宅リフォーム事業者団体登録制度」は、消費者が安心してリフォームを行うことができる環境の整備を図るために、国土交通省が一定の要件を満たした事業者団体を登録・公表する制度。登録された団体に所属する事業者は、技術講習などの研修や工事の請負契約書及び見積書の交付、消費者の相談窓口の設置などが義務付けられているので、事業者選択の一つの目安になる。

また、「住まいるダイヤル」は、住宅に関する知識を備えた建築士が、リフォームの工事や見積書に関する電話相談に対応してくれるもの。公式サイトには、リフォーム見積書セルフチェックのポイントなど役立つ情報も掲載されているので、悩んだときに利用できるだろう。

これらの認知状況を検討者を対象にした調査で見ていこう。
検討者の認知状況は、いずれもおおむね5割~5割弱というところだ。リフォーム検討段階で知っておいてほしい、団体登録制度の認知度は半数に満たないので残念に思う。

一方、制度認知者を対象に、活用してみたいかを聞いた結果を見ると、最低11.1%~最高21.2%と活用意向はあまり高くはなかった。

今回の調査結果を見ると、目に見えづらい「省エネ性」「耐久性」「耐震性」などの住宅の基本性能を重視する傾向が高まっていることや、認知者では税制優遇制度を上手に活用していることなどがわかった。ただし、認知していればこそ活用できるものだ。そのためには、消費者が活用できるさまざまな制度について、適切に助言できる事業者選びもカギになる。改善してほしい点として「制度や仕組みを分かりやすくしてほしい」という項目が高いという結果もあるので、事業者側にもわかりやすく説明できるように、制度の理解を深めることを期待したい。

(suumoジャーナルより引用)